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2007.11.10

リヴィエラを撃て

ここ最近ずーっと、チマチマと1日数ページ程度のスピードで高村薫『黄金を抱いて翔べ』と『地を這う虫』を併読してきました。家では『虫』、通勤などの外出時には『黄金』。んでほぼ同時に2冊を読み終えまして、私の中で高村熱がごおおおおっと噴出し、次に本棚から手にしたのは『リヴィエラを撃て』。これは私などがなまじっかな感想を述べることはあまりにおこがましいので、あらすじすら省略しますが、読み出したら止まらなくなっちゃいまして。文庫本で上下巻なんですが、下巻に手を出したのが金曜日の夜。そして、「次の段落まで行ったら今日はもう寝よう」と思いつつ、いざ段落が終わると「もう1段落だけ」と読み進め・・・夜中の3時を過ぎた時点で諦めました。「読み終わるまで寝ない」。結局明け方6時頃に読み終えました。今ものすごい達成感に全身が覆われています。本作を読むのは2度目なのですが、にも関わらず、結末を知っているにも関わらず、圧倒的な高村ワールドに引き込まれ、視線を文字から離すことを許されず、まさに不眠不休で読みふけりました。そして、2度目だから見えてくるものもある。リヴィエラは舞台がイギリス、登場人物もカタカナばっかり、しかも諜報物で自分の想像など及びもつかない世界なのに、登場人物の一人ひとりに否応無く惹かれてしまうのです。たまらなくその人間を愛してしまうのです。どうして高村薫という人はこんなとんでもない小説が書けるのでしょうか。可能ならば彼女の脳みそを覗いてみたい。
今、次の本を開くかどうか、大いに迷っています。『神の火』。高村作品の中では一番好きです。これも上下巻なんだよな、読み出したら絶対止まらなくなるんだよな。仕事休んででも読み続けちゃうかもな、と真剣に、新たなページを開くべきか否か迷っています。

とりあえず頭の切り替えに中島らも『明るい悩み相談室』をちょくっと読んできます(←差がありすぎ・笑)

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