新冷血、完結
高村薫さん連載「新冷血」。
ついに完結しました。
・・・・・・ついに元義兄の名は明かされず。
全体の印象としては「高村さんなら、合田なら、もっと踏み込めたんじゃないの?」という物足りなさを、先週の時点では感じました。
が、最終回を読んでみて。わざと突き放したような書き方をしたんではないか、そして、「冷血」なのは、一家4人を理由もなく殺した犯人でも、彼らを死刑台へ送る司法でもなく、現代社会そのものなのでは。なんて思いました。
最初の頃に出てきた歩ちゃんの日記や、合田へ友人の無念を訴えに来た女の子2人も出てきます。この女の子たちのことはずっと気になってたんですよね。この女の子たちの成長の描写は本当に本当にごくわずかなんですが・・・・・・最終回にあえて描かれた意味は、あると思います。少なくとも私にとっては、そこが一番こたえた。
来年単行本として発売予定だそうです。1週ごと断片的に話を追うのでなく、まとまって読めばまた何がしかの感想を持つでしょう。高村さんなら改稿もされるでしょうし、来年また、新しい物語に出会う気持ちで読み直せることを楽しみにしています。
最近、白洲次郎にはまりました。
世間では奥さんの白洲正子が有名だそうで。そして白洲次郎も知る人ぞ知るブームだそうで。最近まで私はどちらも知りませんでしたが、ほんっとに偶然、次郎について書かれた新書を古本屋でパラパラッと見て「これはハズレのなさそうな人物だぞ」と感じ、図書館で借りまくってます。
例えば維新の頃の坂本龍馬のように、「時代が求め、時代が生んだ」ような人物っていると思うのです。私の好きな戦国時代などは、そんな人物が綺羅星のごとく多数現れた一時代だと思います。
そのくらいの壮大さを感じます。
と、個人的に思っていたのですが、白洲次郎を坂本龍馬と比較したり、戦後の龍馬と形容したりする向きはあるようですね。先見性に優れ、時代を作る役割を果たしながらも自らは表舞台(政治)に立たず、そして変人(←これ重要)。似てるっちゃあ似てるか。
時間があるから読書捗るのもいいけど、早く仕事見つけたいよ・・・。
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