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2011.10.14

カオス尼崎

高村薫さん連載「新冷血」。
次回、いよいよ最終回です。
LJですでに農業や林業の広告を眺めていた合田ですが、彼は一体どこへ向かっているのか。加納はどうするのか。
いや、その前に、新冷血、残すところ1回、果たして「加納祐介」の名前は出てくるのか・・・。
連載当初に思うところあって兵庫県を旅するつもりだったと書かれているので、合田の漠とした将来は早くから暗示されていたわけですが、震災以降、原発や政治についてメディアで意見を拝見したのを振り返ると、高村さんの現代社会への疑問、科学への依存への視線がいかに厳しいか、改めて感じる回でした。新冷血のテーマはそちらではないのですが、時期的に、そういう印象が強く残ることとなりました。
最終回が楽しみでもあり、寂しくもあり。

さて、今日はローカルな話題です。
昨日、阪神電車を利用して大阪へ行きました。
行きも帰りも尼崎で乗り換えです。
問題は帰りに起こりました。
その1。
乗り慣れていないので、車内で乗り換え案内を真剣に聞いていました。
どうやら、私は電車を降りるとホームを移動する必要があります。線路をまたぐので、普通、一旦階段を利用してホームを移動することになります。ところが。
「降りたホームの向かい側に停車中の普通電車の車内を通って」行け、とアナウンスが告げています。
??????
尼崎駅で降りました。5番ホームです。電光掲示を見ると、私が乗り換えたい電車も5番。
「あれ、このままでいいんじゃないの?」
でもよく見ると、線路をはさんだ向こうのホームも5番。
乗っていたのは尼崎終点なので、当然全員が降り、かなりの人がホームでそのまま向かいの線路を向いて待っています。そこへ普通列車が到着、ドアが開きました。
どどどっと待っていた人たちが乗り込みます。
「え、普通電車にこんなに乗るの???」と疑問を持つ間もなく、乗り込んだほとんどの人が、そのまま向こうへ出て行く(停車した普通電車は左右どちらの扉も開いている)。
普通電車の車内を通過して向かいのホームへとはこのことか!
運行中の列車そのものが究極のショートカットとはこれいかに。
私も周囲に倣って5番から5番へ、普通電車の車内を通って無事移動。
「これ、日ごろから利用している人には普通の風景なんだろうな・・・」
その後、6番に急行が停車、そこから降りた人も極当たり前のように普通列車を通って向こうの5番へ行ってました。5番ホームが2つとか、運行中の列車が通路とか、おかしいだろ尼崎駅!
※ちなみに、ニコニコ大百科というところのカオス駅リンクとはというところで、阪神尼崎駅も紹介されていました。

その2。
尼崎で特急に乗り換えると、それは帰宅ラッシュの時間帯のこと、余裕の混雑です。
ふと、後方から子どもの声。
「目の見えない人や、足の悪い人が座るんだよね。あと赤ちゃんがいる女の人とか・・・」
その子の魂胆は見え透いているのに親が止めないということは、と言うより、実に言い慣れて完全に暗記しているその様子、どう見ても優先座席を代われと暗にプレッシャーかけてる親子です、本当にありが(ry)。
「黙れ座席○○!」と内心で相当な罵倒をしていた私ですが、しばらくして振り返ったら優先座席に座っていました。しかもまだ「ベビーカーの人とか・・・」と優先座席講釈(勝ち取った席の正当性?)をその子は引き続き述べていました。恥ずかしい親子だと思っていたのですが、問題はこれだけで終わらない。
その親子(母+子2人)のすぐ近くに、父+子の親子もいて、こちらは偶然駅で降りた人の空席が目の前にできた子、座らない。とはいえ、混雑する車内に空席はもったいない、でも目の前にちびっ子がいるし、ついさっきまで「優先座席とは」と講釈を聞かされていた大人たちも、座れません。結局ちびっ子が座ったのですが、父親に「ごめんね」と言ってます。
その父子、私と同じ駅で普通電車に乗り換えました。
こちらは車内ガラガラ。すると父親が「言いつけを守らないならもうどこにも連れて行かない」と厳しく説教しています。
もちろん私は優先座席を勝ち取った親子の健康状態など知りませんから、一方的に罵ることは(内心とはいえ)、間違いです。ただ、おそらく自分が何を言っているのかもほとんど理解できないまま、優先座席のルールを述べることで席を「譲らせる」親子、かたや優先席に座った子を叱る親子。
何もこんな対照的な親子を同じ時刻、同じ場所に配置しなくてもさあ。神様ってお茶目だぜ。ちょっとした現代の世相縮尺版を見た感じです。

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